実務対応報告公開草案第58号 「連結納税制度からグループ通算制度への移行に係る税効果会計の適用に関する取扱い(案)」の公表

企業会計基準委員会(ASBJ)は、2020年2月13日、実務対応報告公開草案第58号「連結納税制度からグループ通算制度への移行に係る税効果会計の適用に関する取扱い(案)」を公表しました。

令和2年度税制改正において従来の連結納税制度が見直され、グループ通算制度に移行する税制改正法案が第201回通常国会に提出されています。改正法人税法が成立した場合、グループ通算制度の適用対象となる企業は、改正法人税法の成立日以後に終了する事業年度の決算(四半期決算を含む。)において、グループ通算制度の適用を前提として繰延税金資産の回収可能性の判断を行う必要がありますが(企業会計基準適用指針第 28 号「税効果会計に係る会計基準の適用指針」第44項)、当該判断を行うことについて、実務上対応が困難であるとの意見が聞かれたことから、ASBJで本公開草案を公表したものです。
本公開草案では、グループ通算制度に関する税効果会計の取扱いについては、繰延税金資産の回収可能性の判断に関する考え方が必ずしも明らかではないことから、改正法人税法の成立日以後に終了する事業年度の決算(四半期決算を含む。)についてグループ通算制度の適用を前提とした税効果会計における繰延税金資産及び繰延税金負債の額については、実務対応報告第5号及び第7号(連結納税制度を適用する場合の税効果会計に関する当面の取扱い)に関する必要な改廃をASBJが行うまでの間は、グループ通算制度への移行及びグループ通算制度への移行にあわせて単体納税制度の見直しが行われた項目について、税効果適用指針第44項の定めを適用せず、改正前の税法の規定に基づくことができる、とすることが提案されています。

本公開草案は、公表日以後適用することとされています。なお、本公開草案は、改正法人税法が成立した後に実務対応報告を公表することを前提としており、仮に改正法人税法が 2020 年 3 月 31 日までに成立した場合には、成立後、2020 年 3 月 31 日までに実務対応報告を公表することが想定されています。また、本公開草案に対するコメントの募集期限は2020年3月9日です。

詳細については、以下のウェブサイトをご覧ください。
https://www.asb.or.jp/jp/accounting_standards/exposure_draft/y2020/2020-0213.html

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