2017年3月31日に金融庁より、「監査法人の組織的な運営に関する原則」(監査法人のガバナンス・コード)が公表されました。
同原則は5つの原則として、監査品質の持続的向上を重視する組織文化の醸成、実効的な経営機能の発揮やそれを監督・評価する機能の確保、組織運営の透明性の確保を求めるものであり、社会からの信頼性の維持・向上に資するものであります。
当監査法人は、ガバナンスのさらなる向上の契機と捉え、この原則を採用し、実効的な組織運営の実現と、監査品質の持続的向上に取り組んでおります。
現時点での当監査法人における同原則への対応状況についてご説明いたします。
監査法人が果たすべき役割
原則1
監査法人は、会計監査を通じて企業の財務情報の信頼性を確保し、資本市場の参加者等の保護を図り、もって国民経済の健全な発展に寄与する公益的な役割を有している。これを果たすため、監査法人は、法人の構成員による自由闊達な議論と相互啓発を促し、その能力を十分に発揮させ、会計監査の品質を組織として持続的に向上させるべきである。
当監査法人は、高品質な監査を提供するため、被監査会社のビジネスを理解し、リスクに対応した深度ある監査を実施すべく、理事長以下全ての社員及び職員が取り組んでおります。
組織体制
原則2
監査法人は、会計監査の品質の持続的な向上に向けた法人全体の組織的な運営を実現するため、実効的に運営(マネジメント)機能を発揮すべきである。
当監査法人は、経営の意思決定機関として理事会を設置しております。理事会は、社員会において社員の中から選出された理事により構成されております。
理事会は定期的に開催されるほか、機動的に運営できるよう随時開催できる体制となっております。
また、理事会には経営評価・監督委員も出席し、外部の知見を活用するよう取り組んでおります。
原則3
監査法人は、監査法人の経営から独立した立場で経営機能の実効性を監督・評価し、それを通じて、経営の実効性の発揮を支援する機能を確保すべきである。
当監査法人は、法人全体の組織運営の実効性を独立した立場から監督・評価する外部の第三者機関として、経営評価・監督委員制度を設けております。
経営評価・監督委員には学識経験者を選任しており、法人全体の組織運営に関し、独立した立場からその実効性を監督・評価していただいております。
業務運営
原則4
監査法人は、規模・特性等を踏まえ、組織的な運営を実効的に行うための業務体制を整備すべきである。
また、人材の育成・確保を強化し、法人内及び被監査会社等との間において会計監査の品質の向上に向けた意見交換や議論を積極的に行うべきである。
当監査法人におては、品質管理に関する諸制度を整備運用する責任を、最高経営責任者である理事長および品質管理担当理事が担っております。その業務を遂行するために、品質管理本部をはじめとした各部署を設置して、監査の品質の向上に取り組んでおります。
また、積極的な経営者等とのコミュニケーションのほか、他の監査法人と共同開発した共通の監査ツールの利用、人事評価制度の運用及び法人内外からの情報収集体制の構築等により、監査品質の向上に取り組んでおります。
透明性の確保
原則5
監査法人は、本原則の適用状況などについて、資本市場の参加者等が適切に評価できるよう、十分な透明性を確保すべきである。また、組織的な運営の改善に向け、法人の取組みに対する内外の評価を活用すべきである。
当監査法人は監査品質に関する報告書を作成し、開示しております。
報告書には、監査品質の向上に向けた取組みの実効性について経営評価・監督委員が行った評価結果が含まれております。
また、各種研修、セミナー、シンポジウムなどを通じて得られた、ステークホルダーの評価の活用に努めております。