企業会計基準第34号「リースに関する会計基準」等の公表について

企業会計基準委員会(ASBJ)は、2024年9月13日、企業会計基準第34号「リースに関する会計基準」等を公表しました。

1. 公表について

    2007年3月にASBJから企業会計基準第13号「リース取引に関する会計基準」及び企業会計基準適用指針第16号「リース取引に関する会計基準の適用指針」が公表され、我が国のリースに関する会計基準は当時の国際的な会計基準と整合的なものとなりました。

    その後、2016年1月に国際会計基準審議会(IASB)より国際財務報告基準(IFRS)第16号「リース」(以下、「IFRS第16号」)が公表され、同年2月に米国財務会計基準審議会(FASB)よりFASB Accounting Standards Codification(FASBによる会計基準のコード化体系)のTopic 842「リース」(以下、「Topic 842」)が公表されました。IFRS第16号及びTopic 842では、借手の会計処理に関して、主に費用配分の方法が異なるものの、原資産の引渡しによりリースの借手に支配が移転した使用権部分に係る資産(使用権資産)と当該移転に伴う負債(リース負債)を計上する使用権モデルにより、オペレーティング・リースも含むすべてのリースについて資産及び負債を計上することとされています。

    この結果、IFRS第16号及びTopic 842と我が国のリースに関する会計基準には、特に負債の認識において違いが生じることとなり、ASBJにおいて借手のすべてのリースについて資産及び負債を計上する会計基準の開発検討が重ねられ、今回、次の会計基準等を公表しました。

    • 企業会計基準第34号「リースに関する会計基準」(以下「リース会計基準」)
    • 会計基準適用指針第33号「リースに関する会計基準の適用指針」
    • 企業会計基準第35号「『固定資産の減損に係る会計基準』の一部改正」
    • 企業会計基準第36号「『連結キャッシュ・フロー計算書等の作成基準』の一部改正(その2)」
    • 改正企業会計基準第18号「資産除去債務に関する会計基準」
    • 改正企業会計基準第20号「賃貸等不動産の時価等の開示に関する会計基準」
    • 改正企業会計基準第29号「収益認識に関する会計基準」
    • 改正企業会計基準適用指針第6号「固定資産の減損に係る会計基準の適用指針」
    • 改正企業会計基準適用指針第10号「企業結合会計基準及び事業分離等会計基準に関する適用指針」
    • 改正企業会計基準適用指針第13号「関連当事者の開示に関する会計基準の適用指針」
    • 改正企業会計基準適用指針第15号「一定の特別目的会社に係る開示に関する適用指針」
    • 改正企業会計基準適用指針第19号「金融商品の時価等の開示に関する適用指針」
    • 改正企業会計基準適用指針第23号「賃貸等不動産の時価等の開示に関する会計基準の適用指針」
    • 改正企業会計基準適用指針第30号「収益認識に関する会計基準の適用指針」
    • 改正実務対応報告第35号「公共施設等運営事業における運営権者の会計処理等に関する実務上の取扱い」
    • 改正移管指針「移管指針の適用」
    • 改正移管指針第6号「連結財務諸表等におけるキャッシュ・フロー計算書の作成に関する実務指針」
    • 改正移管指針第9号「金融商品会計に関する実務指針」
    • 改正移管指針第10号「特別目的会社を活用した不動産の流動化に係る譲渡人の会計処理に関する実務指針」
    • 改正移管指針第13号「特別目的会社を活用した不動産の流動化に係る譲渡人の会計処理に関する実務指針についてのQ&A」

    また、リース会計基準等の適用により、次の企業会計基準、企業会計基準適用指針、実務対応報告及び移管指針の適用は終了となります。

    • 企業会計基準第13号「リース取引に関する会計基準」
    • 企業会計基準適用指針第16号「リース取引に関する会計基準の適用指針」
    • 実務対応報告第31号「リース手法を活用した先端設備等投資支援スキームにおける借手の会計処理等に関する実務上の取扱い」
    • 移管指針第3号「連結財務諸表におけるリース取引の会計処理に関する実務指針」

    さらに、リース会計基準等は、次の日本公認会計士協会(JICPA)の実務指針等にも影響するため、2024年9月13日に、JICPAより実務指針等の改正が公表されています。

    • 監査・保証実務委員会実務指針第90号「特別目的会社を利用した取引に関する監査上の留意点についてのQ&A」
    • 業種別監査委員会報告第19号「リース業における金融商品会計基準適用に関する当面の会計上及び監査上の取扱い」
    • 業種別委員会実務指針第53号「年金基金の財務諸表に対する監査に関する実務指針」
    • 業種別委員会実務指針第65号「投資法人における監査上の取扱い」
    • 会計制度委員会研究報告第12号「臨時計算書類の作成基準について」

    2. 適用時期について

    リース会計基準は、2027 年 4 月 1 日以後開始する連結会計年度及び事業年度の期首から適用することとされています。ただし、2025年4月1日以後開始する連結会計年度及び事業年度の期首から早期適用が可能です。


    詳細な内容は、以下のウェブサイトを参照ください。

    ASBJのウェブサイト
    https://www.asb-j.jp/jp/accounting_standards/y2024/2024-0913.html
    JICPAのウェブサイト
    https://jicpa.or.jp/specialized_field/20240913kjq.html

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