移管指針「移管指針の適用」等の公表

2024年7月1日、企業会計基準委員会(ASBJ)は、移管指針「移管指針の適用」等(以下「本移管指針」という。)を公表しました。

我が国の会計基準は、ASBJが設立される前は、会計基準については企業会計審議会が公表し、実務上の取扱い等を示す企業会計に関する実務指針(Q&Aを含む。以下「実務指針等」という。)については日本公認会計士協会(JICPA)が公表していました。2001年にASBJが設立された後は、新しい会計基準、適用指針及び実務対応報告についてはいずれについてもASBJが公表することとされてきました。JICPAが公表していた実務指針等については、包括的にASBJが引き継ぐことはせず、多くの実務指針等はまだ日本公認会計士協会に残されています。

こうした状況を受けて、ASBJ及びJICPAは、JICPAが公表した実務指針等をASBJに移管するプロジェクトについての考え方を示し、企業会計基準等に新たに「移管指針」の区分が設けられました。ASBJでは、会計に関する指針のみを扱う実務指針等の移管について検討を重ね、今般、以下の本移管指針が公表されました。

  • 移管指針「移管指針の適用」
  • 移管指針第1号「ローン・パーティシペーションの会計処理及び表示」
  • 移管指針第2号「外貨建取引等の会計処理に関する実務指針」
  • 移管指針第3号「連結財務諸表におけるリース取引の会計処理に関する実務指針」
  • 移管指針第4号「連結財務諸表における資本連結手続に関する実務指針」
  • 移管指針第5号「株式の間接所有に係る資本連結手続に関する実務指針」
  • 移管指針第6号「連結財務諸表等におけるキャッシュ・フロー計算書の作成に関する実務指針」
  • 移管指針第7号「持分法会計に関する実務指針」
  • 移管指針第8号「研究開発費及びソフトウェアの会計処理に関する実務指針」
  • 移管指針第9号「金融商品会計に関する実務指針」
  • 移管指針第10号「特別目的会社を活用した不動産の流動化に係る譲渡人の会計処理に関する実務指針」
  • 移管指針第11号「研究開発費及びソフトウェアの会計処理に関するQ&A」
  • 移管指針第12号「金融商品会計に関するQ&A」
  • 移管指針第13号「特別目的会社を活用した不動産の流動化に係る譲渡人の会計処理に関する実務指針についてのQ&A」
  • 移管指針第14号「土地再評価差額金の会計処理に関するQ&A」

詳細な内容は、以下のウェブサイトを参照ください。
https://www.asb-j.jp/jp/ikan/y2024/2024-0701.html

なお、本移管指針については、2024年4月3日に公開草案を公表し、広くコメント募集を行った後、ASBJに寄せられた意見を踏まえて検討を行い、公表するに至ったものとされ、主なコメントの概要とそれらに対する対応は以下に公表されています。
https://www.asb-j.jp/jp/project/exposure_draft/y2024/2024-0403/comment.html

また、ASBJからの本移管指針の公表を受けて、JICPAは2024年7月1日に対応する委員会報告等を廃止しています。
https://jicpa.or.jp/specialized_field/20240701ruy.html

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