実務対応報告第45号「資金決済法における特定の電子決済手段の会計処理及び開示に関する当面の取扱い」等の公表

企業会計基準委員会(ASBJ)は、2023年11月17日に、実務対応報告第45号「資金決済法における特定の電子決済手段の会計処理及び開示に関する当面の取扱い」及び企業会計基準第32号「『連結キャッシュ・フロー計算書等の作成基準』の一部改正」(以下「本実務対応報告等」という)を公表しました。

2022年6月に成立した「安定的かつ効率的な資金決済制度の構築を図るための資金決済に関する法律等の一部を改正する法律」(令和4年法律第61号)により「資金決済に関する法律」(平成21年法律第59号。以下「資金決済法」という。)が改正されました。改正された資金決済法においては、いわゆるステーブルコインのうち、法定通貨の価値と連動した価格で発行され券面額と同額で払戻しを約するもの及びこれに準ずる性質を有するものが新たに「電子決済手段」と定義され、また、これを取り扱う電子決済手段等取引業者について登録制が導入され、必要な規定の整備が行われました。当該規定の整備を背景に、2022年7月に公益財団法人財務会計基準機構内に設けられている企業会計基準諮問会議に対して、資金決済法上の電子決済手段の発行及び保有等に係る会計上の取扱いについて検討するよう要望が寄せられ、ASBJで資金決済法上の電子決済手段の発行及び保有等に係る会計上の取扱いについて検討を重ねて公表に至りました。

なお、本実務対応報告等は、2023年5月31日に公開草案を公表し、広くコメント募集を行った後、ASBJに寄せられた意見を踏まえて検討を行い、公表するに至ったものです。

実務対応報告第45号は、資金決済法第2条第5項に規定される電子決済手段のうち、第1号電子決済手段、第2号電子決済手段及び第3号決済手段を対象とし、保有と発行に係る会計処理や開示についての実務上の取扱いを明らかにしています。企業会計基準第32号では、これらの特定の電子決済手段を「通貨に類似する性格と要求払預金に類似する性格を有する資産である」と整理し、特定の電子決済手段を現金に含めることとされました。

さらに、本実務対応報告等の対象となる特定の電子決済手段を現金に含めることとされたことから、日本公認会計士協会も会計制度委員会報告第8号「連結財務諸表等におけるキャッシュ・フロー計算書の作成に関する実務指針」において、同日、現金の定義に「特定の電子決済手段」を追加する改正を行っています。

これらの適用時期は、全て公表日以後適用することとされています。

詳細な内容は、以下のウェブサイトを参照ください。
ASBJウェブページ
https://www.asb.or.jp/jp/accounting_standards/practical_solution/y2023/2023-1117.html
JICPAウェブページ
https://jicpa.or.jp/specialized_field/20231117vvs.html

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